生存期間に及ぼす社会心理学的なケアの効果
この研究は北ドイツのキール市の一般・胸部外科、腫瘍学QOL(生命の質)評価センターのトーマス・キューヒュラーにより、計画され、指導されたものである。
この研究はドイツ研究技術省から90万ドイツマルク(50万ユーロ)の補助金を受けた。本研究は1990年から1992年にわたり行われ、2003年まで十年間のフォローアップが施行された。
本研究の対象は食道、胃、肝臓、膵臓、大腸、直腸の癌患者271人である。
135人が比較対照群で手術のみを受けた。
136人は実験対象群で入院中に手術と、心理腫瘍療法を受けた。
心理腫瘍療法は社会心理的な問診から始まって、精神的に追い込まれた患者を心理的に支援し、治療するものである。退院に際して、患者から手術を理性と感情でどう受け止め乗り切ったかの聞き取りが行われた。この治療中、いつも外科医と看護師、心理療法士は協力してこれらの治療法のあらゆる情報を共有した。
治療の目的は患者たちを支援して診断と治療のあらゆる点について、恐怖感や落ち込みに対すると同様に自分自身で積極的に対処する能力を身に付けてもらうことである。
結果:
手術の二年後、既に生命の質と、生存期間に関して、実験群のほうがかなり良いという成績が得られた。
実験群の生存率の中央値は実験群で705日であったのに対し、対照群では358日であった。
10年間のフォローアップの結果では実験群の生存期間の中央値は50ヶ月であったのに対して対象群では30ヶ月であった。
消化器系の腫瘍の手術から10年後では42人の患者が生存しており、心理腫瘍療法を受けた患者はそのうち32人であったが、対照群ではわずかに10人であった。
この研究の結果をふまえ、著者は心理腫瘍療法が消化器系腫瘍の患者の治療法で標準的な治療となるべきであると述べている。
この研究は2005年4月にミュンヘンで開催された第122回ドイツ外科学会で発表された。この要約は医学書「Oncologie Heute」 (今日の腫瘍学、2005年3月出版、35-37頁)から引用された。
ナチュラルクリニック 医師 中島鉄夫 訳
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ドイツの論文(臨床腫瘍学雑誌 原著報告) |
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