治療の現場から

       

目覚ましい早さで症状が改善した女性 症例:74

2023.02.05治療の現場から

20代 女性 入院期間 2022年7月~9月

入院後の1ヶ月間で、皮膚炎の程度を示すTARCが97%近く低下(改善)した症例です。

症例写真は記事の後半にも掲載しています。

入院までの経緯

幼少期や学生時代に皮膚症状はなく肌は強い方だったが、就職して一人暮らしを始めた頃から目の周りに赤みや腫れが生じ、徐々に全身へと拡がったため、悪化時には目元に弱いステロイド、顔にはミディアムクラス、体にはベリーストロングのステロイド外用を塗布するようになった。

ハードな職場で一日12時間以上の勤務となることも多く、精神的な余裕がなくなり退職。
実家に帰り、通院する皮膚科も変えたが処方される薬は変わらず、当院入院の前年からは、近医で紫外線治療も受けるようになったが効果は感じられなかった。

顔の皮膚が薄くなるなどステロイドの副作用を感じるようになり、脱ステロイドをサポートしてくれる医療機関をネットやSNSで探す中で当院を知って、入院希望で受診。後日入院となった。

 

入院後の経過

成人後に発症した全身型のアトピー性皮膚炎患者さんです。

乳児期から高校までは皮膚のトラブルはなく、皮膚は強い方だったとのことですが、家族にはアトピーをはじめとするアレルギー疾患を持つ方が多く、もともとアレルギー体質の素因は持っていたと考えられます。

入院の数日前まではステロイド外用を使用していましたが、TARC13540と高値で、重症状態での治療開始となりました。

入院後、脱ステ状態が進む中でしばらくの間、いわゆるリバウンド症状が生じる可能性は充分に考えられましたが、実際に治療を開始すると10日が経過する頃から免疫変換が原因と考えられる発熱が生じ、一週間ほど続きました。

この間はリンパ節の腫れも顕著でしたが免疫変換は順調にすすみ、発熱中に行った入院2週間経過での血液検査でもTARCは約1,000と1/13にまで低下(改善)しています。

また、発熱等が治まってからもアトピー症状の改善は進み、入院1ヶ月経過の血液検査ではTARCは432まで低下するなど、目覚ましい改善が得られました。
その後も、症状は安定したまま推移し、2ヶ月が経過するタイミングでの退院となりました。

退院時の血液検査では値が微増している項目もありますが、治療中の患者さんでは、この程度の数字のブレは珍しいことではありません。

検査データの見方は掲載症例の見方をご覧ください。

 

ドクターコラム

このwebサイトや当院のInstagramご覧になり、食生活の管理や心の健康も大切するという当院の考え方に共感して、入院を考えるようになったというこの患者さん。

当院では、特にインターネットを使って入院治療の方針やアトピーの原因などについての発信に努めていますが、多くのアトピー患者さんに役立つ情報を届けたいという気持ちだけでなく、受診や入院の前に、なるべく患者さんに当院の考えを理解しておいて頂きたいという思いもあってのことです。

こういった劇的な改善症例をご覧になって、すぐさま入院を申し込んで下さったり問い合わせて下さったりする患者さんもいらっしゃいますが、まずはこのサイトに掲載している入院治療の概要をよくご覧頂くことをお勧めします。

お問い合わせの前にぜひお伝えしておきたいことをまとめたページが以下になります。

アトピーにも入院治療という選択肢を

 

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