治療の現場から
念願の脱ステを達成して職場復帰 入院期間:2018年2月~4月:症例37
2018.04.28治療の現場から
20代男性
入院までの経緯
生後1ヵ月からアトピー性皮膚炎を発症。それ以降ステロイド外用と抗アレルギー剤の内服を続けた。
高卒後就職し、発汗の多い職場環境で働く内にアトピー性皮膚炎は全身性に悪化。
外用ステロイドだけでは効果が充分でなくなり、ステロイドや免疫抑制剤(シクロスポリン)の内服薬を併用していた。
入院の2年前から脱ステロイドを試みるも、リバウンドや悪化によって挫折を繰り返し、入院の3ヶ月前に行った脱ステで非常に悪化。
ステロイドを増量してもコントロールができなくなって当院を受診した。
検査データの見方はこちらのページをご覧ください。
入院後の経過
上半身を中心に黄色ブドウ球菌とマラセチアの強い感染が生じていた患者さんです。
マラセチア感染によって脂漏性皮膚炎が引き起こされ、顔の皮脂腺が分布する部位を中心に、独特の黄色い分泌物がかさぶたのように塊を形成していることが認められます。
長年、免疫を抑制する療法を続けていたこともあり、黄色ブ菌やマラセチアの感染は拡大して深部にまで及んでいましたが、入院後は順調に改善し、何度もチャレンジして挫折していた脱ステを2ヶ月間で達成。
退院時、顔は見違えるようにきれいになっています。
退院後は職場復帰を果たし、多忙等が原因でコントロールに苦労した時期もありましたが、現在は良好な状態が維持できています。

当院の退院患者さんには、重症のアトピーから職場復帰・学校復帰・社会復帰を果たした患者さんが多数いらっしゃいますが、いくつかの症例をご紹介します。
ステロイドも効果なく大学就学も困難になった重症アトピー患者 :症例20


