心理的ケア・カウンセリング

心理カウンセリングの効果

アトピーでお悩みの患者さんの中には、怒りやイライラ、恐怖感などの心理的なストレスが加わると痒みが増して身体を掻きたくなったり、掻くのを止められなくなるといった経験がある方も多いのではないでしょうか。
心理的なストレスが引き金となってアトピーの症状が悪化し、コントロールが出来なくなって入院する方は少なくありません。

心の安定は自律神経系を介してホルモン系・免疫系のバランスを整える効果があります。そして身体面だけが良くなっても脳が全てをコントロールしているという観点から、健康維持には「健康的な考え方」を定着させる必要があります。

  • カウンセラー
  • 院内イメージ

当院では、希望する入院患者さんには常勤カウンセラーによる心理カウンセリングを行い、心と身体の関係について見つめる時間を設けています。
医療機関でのカウンセリングというと、精神面に疾患を抱えている方が受けるものと思われがちですが、アトピー患者さんの中には、長年の闘病で精神的に追い込まれていたり、家族や職場、学校などで人間関係に苦労してきた方が多くいらっしゃいます。
また、最重症のアトピー患者さんは、辛さのあまり引きこもりや不登校、就労困難といった状態となり、将来に希望を持てなくなっている方も多いため、カウンセリングを通じて心を安定させたり、価値観を見つめ直すことが症状改善に役立ちます。

なお、病室タイプA・B・C室にご入院の場合、カウンセリング料金は差額ベッド代に含まれ、D室の場合のみ別途費用が発生します。

カウンセリング中、アトピー患者さんからは

  • ◎病気を治せるかどうか?退院後再発しないか?症状に耐えられるか?
  • ◎家庭・職場・学校、人間関係のミスコミュニケーションを改善したい。
  • ◎病気であること・入院することで周囲に迷惑をかけているようで苦しい。
  • ◎進学・就職・結婚・出産などライフイベントに不安がある。
  • ◎人前に出たり外に出たくない。ひきこもりである。
  • ◎「食」のコントロールができない。摂食障害である。

など、身体面・精神面・社会面・スピリチュアル面からの様々なご相談があります。

これらの悩みは、

  • ◎人間関係への影響
    [母子(親)との関係や、対人関係の不調和]
  • ◎考え方への影響
    [医療・治療・自己治癒力に対する不信感や、不健全な考え方の形成、自分自身への過度の制限]

などが根底にあると考えられます。

入院中に心理面のケアに取り組んだ患者さんの中には、不登校・ひきこもり状態からこころと身体のバランスを取り戻し、人間関係も良好になって進学できたという方や、健康とともに自信を取り戻して結婚・出産し、元気な母親になったという方、職場復帰後、以前よりも元気でバリバリ仕事をして輝いている方、本当にやりたい仕事が見つかりそれを楽しんでいる方など、素敵な報告が続々と寄せられています。

サイモントン療法

当院では、認知行動療法などの心理療法のほか、日本サイモントン療法協会の認定カウンセラーによるサイモントン療法を提供しています。
がん患者の治療を目的にアメリカで開発された心理療法、サイモントン療法は、生きる喜びや人生の意味を見つめ直すことで、前向きに生きるためのエネルギーを取り戻し、人生の質(QOL)を向上させることを目的としています。
アトピー治療においても人生への前向きな姿勢は好影響をもたらします。

瞑想(メディテーション・マインドフルネス)

当院では、心理面へのケアを目的に、院長と入院患者のみなさんとの瞑想の時間を設けています。
近年、瞑想はストレスケアや集中力をアップさせる方法として知られるようになってきましたが、当院では院長が10年以上前から入院患者さんとの瞑想に取り組んでいます。

  • 瞑想風景
  • 瞑想風景

入院中に瞑想を経験して、価値観が好転したり、人生観が変わったとおっしゃる患者さんも多くいらっしゃいます。
退院後、患者さんがスムーズに日常生活へ戻っていくためにも、入院中にストレスのセルフケアを覚えておかれることをお勧めしているのです。

家庭菜園・ガーデニングへの参加

当院の敷地内には、合計約200坪の農地があり、野菜、果樹、花、真菰などを栽培しています。作付け計画や管理は、有機農業の指導経験がある専門家に依頼しており、患者さんにも軽易な作業のお手伝いを提案しています。

  • 農作業風景
  • 真菰刈り取り風景

土に触れることで自然のエネルギーをチャージしたり、植物の成長や収穫を通して命の循環を感じられる農作業は、入院生活の気分転換にぴったりです。
収穫した野菜をそのまま院内の食事として提供できるのも、患者さんからは好評です。

よろこびワーク

当院では、入院患者のみなさんに、楽しい、嬉しい、わくわくする感覚など、心がよろこびを感じられる経験を提供できるよう、様々な行事ごとを行っています。
外部講師による講演やセミナー、ワークショップなど、各種の行事はまたとない経験になるだけでなく、入院患者のみなさんの親交も深まり好評です。

特に、非常勤の講師として隔月で入院患者さんへのカウンセリングや講演会を行っていただいている心理療法家の川畑のぶこ先生は、日本のサイモントン療法の第一人者としてだけでなく、やましたひでこ氏が提唱する断捨離のアンバサダー(伝道師)としても活躍されており、院内での講演会は、外来患者さんや市内外の一般の方からも好評です。

    • セミナー風景
    • バーベキュー風景

    当院が入院患者さんへの心理面へのアプローチを重視するのは、入院治療中だけでなく、退院後の人生を素晴らしいものにして頂きたいという願いがあるからです。
    ※瞑想や菜園での農作業、喜びワークは自由参加です。

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