治療の現場から

       

皮膚のハリやキメも整った!アトピーのコントロールには自然免疫の賦活が重要 入院期間:2017年8月~11月:症例34 

2017.11.10治療の現場から

20代男性

入院までの経緯

3歳頃に肘の内側やひざの裏側にあせもの様な湿疹が生じるようになり、ステロイド外用治療を受けるようになった。

小学校高学年で健康機器や漢方を開始し、ステロイド外用を止めた状態でどうにかコントロールできていた。
高校3年生~大学卒業までは保湿剤のみ使用。

就職後もたまにステロイド外用を使う程度だったが、入院の約2年前、足に生じた湿疹が拡大しはじめ、ベリーストロングクラスのステロイド外用治療を受けたが、皮膚炎は四肢や体幹部にも拡大した。

入院の4ヶ月前から、約3ヶ月間にわたって当院とは別の医療機関で脱ステロイド療法を受けたが皮膚炎は悪化。

頭皮からは滲出液が生じ、ステロイド外用、点滴、注射剤による治療を受けたが改善が得られなかった。

当院入院の1ヶ月前、食事療法や波動治療を行う医療機関に入院すると回復傾向となったが、2週間ほどで改善が停滞。その医療機関のスタッフに当院の情報を教えられて受診した。

検査データの見方はこちらのページをご覧ください。

入院後の経過

アレルギー体質を反映するIgEは51234IU/ml、皮膚炎の程度を示すTARCが29795pg/mlと、非常に高い値が示すように、全身性の発赤、腫脹、角化を伴う急性の重症性皮膚炎で、頭部からは滲出液が生じ、スタンプ培地でも多量の黄色ブドウ球菌感染がみとめられた最重症患者さんです。

皮膚から多量の血漿成分が漏出するため低蛋白状態になっており、入院時は足の浮腫みが強く、全身に激しい痒みがあって、自覚症状のPOEMは満点の28点でした。

当院入院後、治療に加えてバイオ入浴を実施すると経過は順調で、入院から1ヵ月後にはTARCは1/4以下に低下し、2ヶ月後には1/10以下まで低下しています。

その後も治療は順調で、全身の赤み、腫脹、角化も改善して退院。職場復帰を果たされました。

一般の脱ステロイド療法や民間療法は科学的論拠が欠けており、行き当たりばったりで効果が曖昧です。

また、ステロイドや注射薬も免疫の反応を抑えるという対症療法であり、原因療法ではありません。
アトピーの原因である弱い自然免疫を賦活(ふかつ)することによって、安定的で安全なコントロールを目指すことが大切です。

ステロイド注射を受けていた他の症例
10年続けたステロイド 自宅で脱ステを試みて重症化 症例:3

 

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