治療の現場から

       

自覚症が激減 血液検査でも数値が大幅に改善した 入院期間:2019年5月~8月:症例45

2019.10.15治療の現場から

40代女性

アゴ#45

入院までの経緯

中学生の頃、スポーツでの日焼けをきっかけにして顔にアトピー症状が生じ、ステロイドを使用し始めた。
高校生となって症状は全身に広がり、カサツキや赤み症状のために皮膚科を受診してステロイドを使用していた。

20才で就職後、ステロイドの効果が得られなくなり使用を中止したが、リバウンドが強く、検査目的で国立大学の付属病院に入院しステロイド治療を再開した。

しかし、ステロイドの副作用を感じたこともあって、アトピー治療で知られる他の病院を受診し、弱いステロイド外用の処方を受け、その後、数年間はコントロールすることができていた。

25歳頃に脱ステロイド入院を実施。
その後はステロイドを使用せず過ごせたが、30歳頃、仕事のストレスでアトピーが悪化して離職。
5年間程、実家で薬を使用せずに療養生活を送った。

首#45

30代後半で皮膚症状が落ち着いたため仕事復帰を果たして1人暮らしになったが、当院入院の数ヶ月前から首に痒みや赤みが生じるようになり、顔を含む全身に広がった。

やむを得ずステロイドを使用したが改善せず、プロトピックも2週間ほど使用したが良好なコントロールは得られなかったため、ステロイド・プロトピックを中止。

インターネット検索で当院を知り、入院となった。

検査データの見方はこちらのページをご覧ください。

検査結果表#45

入院後の経過

全身性のアトピー性皮膚炎患者さんの症例です。

全体的に赤みやカサツキがあり、顔、首は特に赤みが強く皮膚が薄くなっていて、全身の痒みから睡眠にも支障をきたす状態でした。

脚#45

約3ヶ月の入院期間中には1日4時間程度のバイオ入浴にも取り組み、退院時には炎症の程度を反映するTARCが入院時の約1/10となる1033pg/ml、26点と満点に近かったPOEMも2点まで低下して順調に改善しました。

症例写真でも、全身の赤みの改善や顔からの落屑も消失し、赤黒くなっていた脚も色味が落ち着いたことがわかります。

入院中の患者さんがバイオ入浴に取り組む時間は、1日に3~4時間程度というのが標準的です。しかし、体力的に長時間の入浴が望ましくない方や、体質によって長時間の入浴が適さない方もいらっしゃいます。

実際にバイオ入浴に取り組みながら、自分なりの入浴リズムや管理方法を身に付けることが、自宅で継続する上でも重要になります。

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