治療の現場から

       

11歳 痒疹(ようしん)を交えた重症小児アトピー 強い痒みを乗り越えて改善 入院期間:2014年6月~8月 症例18

2015.11.03治療の現場から

11歳男児

入院までの経緯

生後1ヶ月頃から乳児湿疹が生じ、4歳まで頬と頭部を中心にステロイド外用を毎日使用していた。

8歳頃には皮膚症状が落ち着く時期もあり、ステロイドを休薬できる時もあったが、9歳になるとアトピー性皮膚炎が悪化し、ステロイドを増強しても手足には痒疹(ようしん)が生じるようになった。

弱いステロイドを使用した代替医療を受け、一旦痒疹は改善したが効果は次第に減弱。
全身の湿疹と皮膚乾燥は次第に拡大して痒疹も再発したため、強力タイプのステロイドも使用したが痒疹はコントロールできなかった。

落屑・滲出液などによる栄養素の消耗もあり、体の生育は抑制され、貧血にもなった。
治療を模索する中でインターネットで当院を知って受診。入院となった。

【痒疹が改善したその他の症例】

症例17:最強ステロイドも歯が立たなかったアトピーに伴う結節性痒疹が普通肌に

脱ステ悪化の発熱や滲出液も乗り越え痒疹(ようしん)も改善 症例:51

検査データの見方はこちらのページをご覧ください。

入院後の経過

入院時11歳の男の子ですが、入院後は痒みに耐えながら根気強くバイオ入浴にも取り組みました。

検査結果のTARCの低下からもわかるように、症状はスムーズに改善し、退院時の写真では痒疹もほぼ消失しています。

当院では、中学生未満の小児患者さんの入院には、保護者の方の付き添いをお願いしていますが、これは入浴の安全性確保に加え、バイオ入浴や食事療法についてなど、保護者に習得いただきたいことがあるためです。

近隣の県にお住まいだったこの患者さんは、お母さんとおばあちゃんが数週間ずつ交代で付き添われていました。
小児患者の入院治療には、家族の協力体制が非常に大切になります。

【小児の入院患者さんの他の症例】

5才 小児のアトピー性皮膚炎も入院治療で改善 入院期間:2014年6月~8月:症例19

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