治療の現場から
最強ステロイドと免疫抑制剤の内服でもコントロール出来なかった最重症のアトピー性皮膚炎 入院期間:2014年9月~2015年2月:症例22
2015.02.10治療の現場から
30代女性
入院までの経緯
幼児期から四肢屈曲部にアトピー性皮膚炎が生じた。
高校生までは、ベトネベート等(very strong)の塗布でコントロールできていたが、徐々にステロイドの効果が低下。
30歳からはステロイド外用や抗アレルギー薬を服用しても改善しなくなり、入院の4年前からダイアコート、デルモベート(strongest:最強ランク)を使用。
入院の3年前からはステロイド内服(セレスタミン)を併用するようになった。

入院の2年前には大学病院にも入院し、最強ランクステロイドの全身塗布で一旦は改善したが、すぐに再発。痒みが強く痛みに近くなっていた。
プロトピックも併用したが効果なく、免疫抑制剤シクロスポリン50mg 4C/日の内服併用が始まった。
当院入院前までシクロスポリン50mg 3C/日を内服、キンダーベートを顔、デルモベート+マイザーを体幹と四肢に塗布していたが、それでもコントロールは十分ではなく、全身の痒み・炎症・擦過傷・色素沈着・まだら紅斑・赤みがある状態だった。
治療に限界を感じるようになり、インターネットで知った当院を受診。
当院ではステロイドは原則使用しないので、激しいリバウンドへの覚悟と、入院期間が長期化する可能性を了解頂いた上で入院となった。
検査データの見方はこちらのページをご覧ください。
入院後の経過
入院時はまだステロイドや免疫抑制剤の効果が残っており、皮膚炎はある程度抑えられていましたが、入院後、作用が切れるにしたがって、全身の浮腫み・発熱・悪寒・激しい痒みと滲出液が生じるなど、全身に激しいリバウンド皮膚炎が生じました。
顔が腫れ上り、ベッドから起き上がれない状態でしたが、気力を振り絞って短時間でもバイオ入浴を続けました。
体中の細胞が薬物の影響から解放されて、悲鳴を上げながら自然状態に戻ろうとして反応していたのです。
10/10と12/27のPOEMがないのは、アンケートに答えている精神的・肉体的余裕がなかったためです。
入院後3ヶ月間は症状に波があり、悪化と改善を繰り返しましたが、全身の強い炎症も3ヶ月が経過した頃から急速に改善しました。
薬も必要なくなり、食事療法で体重も減量、普通肌と呼べる健康な皮膚が見られるようになりました。
退院後も自宅でのバイオ入浴を継続しています。
免疫抑制剤と最強ステロイドの併用でも歯が立たたなかった最重症のアトピー性皮膚炎が、バイオ入浴で完全にコントロールされています。
自然の力をうまく使うと、本当は薬はほとんど必要ないのかもしれません。
【最強クラス(strongest・Berry strong)のステロイドでもコントロールできなくなっていた他の症例】
カポジ併発!ステロイド抵抗性となった最重症アトピー 症例:1
最強ステロイドも歯が立たなかったアトピーに伴う結節性痒疹が普通肌に 入院期間:2014年11月~2015年1月:症例17
ステロイド歴30年以上 苔癬化(たいせんか)した全身の皮膚炎が改善 入院期間:2015年7月~11月:症例23






