治療の現場から
デュピクセント後に症状が悪化していた高校生 症例:96
2026.03.10治療の現場から
16歳 男性 入院期間2025年5月~8月(79日)
入院までの経緯
生後1カ月で顔や体に湿疹が生じ、複数の小児科・皮膚科を受診した。
弱いステロイド外用を処方されたが、保護者にステロイド使用への抵抗感があり、使うことはなかった。
生後7ヶ月から2ヶ月半ほど国立病院に入院して食物アレルギーの除去食を行ったところ、皮膚炎は改善し、その後しばらくアトピー症状は出なかった。
小学校高学年から15歳までは、夏に汗疹(あせも)が出たり、冬期に首や肘・膝の裏側に湿疹が出たりする程度で、ひどくなりそうな時にステロイドを塗り、落ち着けば使用をやめていた。
16歳の秋、日焼けの肌荒れと汗疹が落ちつかないまま季節的に乾燥が強くなり、ステロイドを塗っても改善しない状態となったため、12月中旬、自己判断でステロイド外用を中止(脱ステ)した。
年末年始は、脱ステによる悪化で滲出液や落屑が増えたが、1月中旬には軽減。ただし、強い痒みは継続したため、2月中旬に皮膚科を受診し、デュピクセント注射を受けた。
以降、2週間毎に計4回デュピクセントを注射するも、湿疹・痒みは増強したため中止。
インターネットで知った当院へ問い合わせ、入院となった。
検査データの見方は掲載症例の見方をご覧ください。
入院後の経過
顔とデコルテ周辺、膝裏などに強い皮膚炎が生じていた16歳の高校生です。
デュピクセントでも効果が得られないばかりか、悪化してしまったとのことで、困り果てた末に、当院へ辿り着かれました。
入院の直前までは高校へ出席していたとのことで、入院前の苦労が思われます。
車で片道10時間近くかかる遠方からの入院でしたが、お母さんが一人で運転して起こしになりました。
入院時の検査結果では、皮膚炎の程度を反映するTARCが1889と当院の入院患者さんとしては高値ではありませんが、これは強い皮膚症状が比較的狭い範囲に集中していたたことが影響していると考えます。
自覚症状をあらわすPOEMは最高値の28点と、最重症からの治療開始。
広範囲にマラセチア(酵母様真菌の一種)やその他の病原菌が増殖していますが、真菌類による症状に対してステロイドなど免疫を抑える薬剤を使っていたために、かえって真菌増殖の悪化・長期化を招いてしまっていたと考えます。
入院後は非ステロイドでの治療を行いながらバイオ入浴も開始。はじめは長時間の入浴に戸惑うこともあったようですが、徐々に慣れていった様子です。
入院直後、滲出液が固まってできた黄色いかさぶた(痂皮)に顔全体が覆われていましたが、入院から1ヶ月が経過する頃には滲出液が止まって痂皮もほとんどなくなり、面会に来たご両親も改善具合に驚いていました。
親元を遠く離れての入院生活に寂しさを感じている様子もありましたが、年上の患者さんたちにも可愛がられ、院内での行事にも積極的に参加してくれました。
1ヶ月経過以降も、いくぶんの波はありながらも治療は順調で、入院から2ヶ月の検査ではTARCは入院時から半減。
LDや好酸球も基準値内で、数値的には退院が可能なラインとみることも出来ましたが、目や耳の周りなどの赤みをもう一段落ち着けてから退院するべきと判断しました。
目や耳の周りのように皮脂分泌が多い部位は、常在菌であるマラセチアの異常増殖による炎症が生じやすく、この患者さんのケースでも、症状が落ち着くのに一番時間を要したのがこの部分です。
入院から約2.5ヶ月、高校の補講が始まるタイミングで退院となりましたが、まだ多少の赤みや痒みなどは残っていることから、自宅でバイオ入浴を続けながら体調管理を心がけるようにと助言しました。
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