治療の現場から

アトピーにも関連! 亜鉛を効率的に摂取するコツとは? 久保Dr.からのアドバイス

2021.08.20治療の現場から

亜鉛は不足しがち!

当院の外来診療では、地元のアトピー患者さん以外に、内科疾患等で長年通院なさっている患者さんも多くいらっしゃいますが、患者さんの血液検査の結果を見ると、疾患の種類を問わず多くの患者さんに亜鉛が不足している傾向があります。

採血

亜鉛の役割は?

亜鉛は300種以上の酵素の活性化に必要で、不足すると味覚障害や小児の成長障害、脱毛、生殖、精神、免疫機能の障害が生じます。母乳育児の際には、乳児に生じる亜鉛欠乏が問題になることもあります。

アトピーと亜鉛の関係では、亜鉛は皮膚にも多く存在してコラーゲンの合成に関わっているため、亜鉛不足になると健康な皮膚が保てなくなって、皮膚炎やかゆみなど、皮膚や粘膜のトラブルが生じやすくなったり傷が治りにくくなったりしてしまいます。免疫機能が低下してしまうと皮膚感染が長引く原因にもなります。

また、亜鉛には皮膚の(皮膚以外も)炎症を抑える働きもあり、亜鉛華軟膏や亜鉛華デンプンなどの酸化亜鉛が含まれる外用薬がアトピー治療にも使われています。

亜鉛不足を解消するには

当院では、亜鉛不足の患者さんには牡蠣や小麦胚芽など亜鉛を補う食品の摂取をお勧めしているのですが、これらの食品を摂取することで、スムーズに結果が出る患者さんとそうでない患者さんがいます。

そこで、亜鉛不足がスムーズに改善した患者さんに、普段の食生活をより詳しくたずねたところ、みなさん口をそろえたように、日ごろからオレンジなどの柑橘類を好んで食べているという答えでした。

オレンジ

これは、柑橘類に含まれるクエン酸の「ミネラルの吸収を促進する働き(キレート効果)」によって、摂取した亜鉛が効率的に腸管から吸収されているのだと考えられます。

これを考慮して、亜鉛のサプリとクエン酸を同時に処方するとほとんどの方が正常値に改善しました。

クエン酸は、柑橘類だけでなく梅干しやキウイフルーツなどからも摂れますが、飲酒や喫煙などの生活習慣によって大量に消費されてしまうため、亜鉛を含む食品と一緒に積極的な補給をお勧めしています。

アトピー性皮膚炎では特に亜鉛の消費が速くなるので摂取を心がけましょう!

アトピー患者さんへの食生活のポイントや、アトピー入院病棟の日々のメニューはInstagram【ナチュクリキッチン】でも発信中です。

キッチンインスタバナー

院長 久保 賢介 のプロフィール

院長

1957年4月3日 福岡県 北九州市出身
2001年10月 有床診療所ナチュラルクリニック21 開設
所属学会:日本アレルギー学会/日本心身医学会
15年間以上、アトピー性皮膚炎患者の入院治療にあたっている。

詳しいプロフィール 医師・スタッフ紹介

topへ