治療の現場から

アトピー治療方法について:久保Dr.はこう考える!

2020.11.29治療の現場から

この記事はこちらのページからの続きです。

アトピー治療の選び方 久保Dr.からのアドバイス

当院に入院するアトピー患者さんが過去に試したことがあると話されることが多い、いろいろな治療法や健康法について、私(院長の久保)なりの見解をご紹介します。

説明をする医師

あくまで私見ではありますが、アトピー患者さんの参考になれば幸いです。

漢方薬

漢方薬でアトピーが改善した経験のある患者さんは多いと思います。

漢方

しかし、当院に入院する患者さんには、以前は効いていた漢方薬が効かなくなって、治療に行き詰ってしまったという人が多いのも事実です。

このような場合、漢方薬に対してアレルギーが生じていることが疑われ、実際に検査をしてみると高い確率で漢方薬へのアレルギーが見つかります。

採血

いわゆる薬疹が生じて、もともとアトピーが生じている皮膚の炎症に拍車をかけてしまっていることになります。
患者さんは、漢方薬ならアレルギーを起こさないだろうと考えがちですが、そんなことはありません。

漢方薬で望む効果が得られているなら良いのですが、効果が得られなかったり、かえって悪化していたりする場合には、漢方薬へのアレルギーを疑ってみる必要があります。

そして、長期に使用を続ける場合にはアレルギーが生じることがあり得ることを知っておいて下さい。

鍼・整体

どちらも、患者さん自身が心地良さを感じていて、リラクゼーションのために受けることは悪くありません。

整体

精神神経免疫系に作用してアトピーの改善が得られる可能性もありますが、アトピーへの効果は治療者の技術レベルに大きく左右されるうえ、私感ではその領域に達している治療者はそれほど多くないと感じています。

鍼

また、国家資格である鍼灸師と比べ、民間レベルの資格である整体師は技術レベルにバラツキが大きいと思います。

整体を受けたことをきっかけに症状が悪化したという患者さんもいますので、信頼できる施術者を選ぶことが何より大切です。

糖質制限

糖質制限をしている人に話しを聞くと、炭水化物を減らしてプロテインを日常的に飲んでいる人が多いようですが、腸管の過剰タンパクを招いて腸内の腐敗を引き起こし、腸内にアンモニア・メタン・アルカプトン・インドールといった腐敗産物が増加して大腸癌の原因になり得ます。

プロテイン

近年、若年者の大腸癌が急増していますが、高蛋白食の大きなリスクを見落としています。

また、これらの腐敗産物は、腸管から血液中に吸収され体内で毒素として作用するうえ、プロテインの原材料となっている牛乳や大豆の質にも疑問があり、牛乳はホルモン剤の影響も懸念されます。

腸内環境が人体の免疫に非常に大きな影響を及ぼすことは、広く知られた事実です。

腸内細菌

日本人の腸が欧米人と比較して著しく長いことを考えれば、我々の祖先が植物を主食としてきたことは間違いありませんから、過度な糖質制限はお勧めしません。

私は、アトピー患者がいなかった昭和初期までの日本の食生活が、健康食の基本だと考えています。

完全菜食

当院は、開院からしばらくは、がんの患者さんを中心に入院治療を受け入れいたため、当時は肉や魚を排除した治療食を提供していました。

ベジタリアン

そのうち、アトピー患者さんの比率がどんどん高くなり、ここ10年ほどはアトピー専門の体制としていますが、皮膚の代謝が激しいアトピー患者さんには、完全菜食ではタンパク質が不足してしまいがちです。

タンパク質が低下し過ぎると白血球数が減少して免疫機能が低下したり、皮膚のコラーゲンの生成が低下して皮膚のバリア能力が弱くなり、かえって皮膚炎の治癒を遅らせる結果になりかねません。

タンパク質は豆腐などからも摂ることはできますが、現在の入院治療食は、適度に魚介類や鶏肉などを組み込んだメニューを設定しています。

タンパク質を多く含む食品

もちろん、動物性食品に偏った食事はお勧めしません。

お風呂の浄水器・塩素除去シャワーヘッド

浄水器やシャワーヘッドも質問を受ける事が多いワードです。

お風呂やシャワーの塩素で肌が荒れるのはよくあることですから、皮膚症状が安定しているときは、余計な負荷をかけないよう浄水器や塩素除去ヘッドを使用するのは良いと思います。
軽症者であれば、塩素除去の効果が得られる可能性は高いでしょう。

シャワー

しかし、症状が悪化している時期や夏場のジメジメした皮膚(屈曲部など)には、塩素が雑菌を減らす働きをしてくれて好影響を与えることも考えられます。

合うかどうかは試してみないと判らない面もありますから、関心がある人は試してみても良いでしょう。

価格帯は様々で各社技術を競っていますが、塩素除去が自分に合うかは入門品で判断できると思います。

温泉療法

アトピーへの温泉療法は昔から認知されている療法の一つで、著効が得られたという体験談が多いもののひとつですが、その反面「試したけれど期待した効果が得られなかった」という声も多いのは、温泉療法を行ったことがある人が非常に多いという証拠です。

温泉

日本には古くから湯治という文化や治療法があるので、患者さんにはイメージが湧きやすいのだと思います。

日本では厚労省が許可した温泉病院での治療が健康保険でも認められており、古くからアトピー性皮膚炎に対する治療や研究も行われてきました。

しかし、多くの温泉病院があるにも関わらず発表された論文はわずかで、その論文によれば、軽症アトピーには幾分効果があるが、重症者は逆に悪化する傾向にあるというものでした。

論文

論文が少ないのは、アトピーの改善効果が思わしくないことが一因のようですが、保湿やリラクゼーションを促す効果はあるように思います。

民間の温泉として患者さんから聞く話では、九州や北海道に効果が噂される温泉があるようです。

特に北海道の温泉は石油の成分が混入しており、効果に影響しているとの事ですので、タール成分が抗菌、保湿効果を高めているのかも知れません。

源泉では効果があるけれど、自宅では再現できないのが問題のようです。

保湿・脱保湿

このテーマについては、ボリュームがあるので別記事にまとめてあります。

保湿?脱保湿? 保湿についての考え方:久保Dr.からのアドバイス

まとめ

この記事の前半部分アトピー治療の選び方:久保Dr.からのアドバイスでもお話ししましたが、アトピーといっても体質やタイプは人によって異なり、特に重症者にはその人にマッチした多角的なケアが必要です。

患者さんには、噂やネットで拡散されているまことしやか体験談はではなく、データによる医学的な裏付けと理論から治療方法を選択することをお勧めします。

データ分析

当院では、そのような患者さんに信頼して頂けるよう、多数の症例紹介や検査データの統計から改善率や改善度を公開し、信頼性の確保に努めています。

ステロイドを使わずアトピーの炎症度が87%改善!治療実績公開

まとめ:2018年 入院アトピー治療の改善率は100%

院長 久保 賢介 のプロフィール

院長

1957年4月3日 福岡県 北九州市出身
2001年10月 有床診療所ナチュラルクリニック21 開設
所属学会:日本アレルギー学会/日本心身医学会
15年間以上、アトピー性皮膚炎患者の入院治療にあたっている。

詳しいプロフィール 医師・スタッフ紹介

topへ