治療の現場から
アトピーのため働くことに苦労してきた女性患者さん 入院期間:2016年3月~6月:症例26
2016.06.06治療の現場から
20代女性
入院までの経緯
生後2ヶ月で発症したアトピー性皮膚炎が3ヶ月から全身の皮膚炎になり、以後10年間ステロイドを外用使用。
その後、脱ステし民間療法のみを行って過ごしていたが、顔はカサカサで全身の3割以上の面積で常に皮膚炎が生じていた。
20歳でステロイド外用を数日間使用したことがあったが、中止後にリバウンドで滲出液が生じ悪化したため、以後は余計にステロイドを避けるようになった。
その後も医療機関は受診せず、上半身を中心とした軽症から中等症のアトピー性皮膚炎が増悪・消退を繰り返しながら持続。皮膚炎により長期の就労継続は困難で、短期就労を繰り返していた。
入院の1年前から現在の職場に勤務するようになったが、皮膚炎が全身性に悪化して就労困難となり入院となった。
検査データの見方はこちらのページをご覧ください。
入院後の経過
長年非ステロイドでのアトピーコントロールに取り組みながら、苦労を重ねていた患者さんの症例です。
入院時、炎症の程度を反映するTARC2418(pg/ml)、皮膚炎では細胞の破壊の増加に比例して上昇するLDHは312(U/L)という高い値でしたが、当院で非ステロイド治療を実施しながらバイオ入浴にも取り組んだ結果、1ヶ月間でTARC454、LDH121とほぼ基準値レベルに低下、退院時には基準値内まで改善しています。
退院時には、自覚症状のスコア POEMも最重症レベルの25点から4点まで低下しました。
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