治療の現場から

秋・冬のアトピー注意点:久保Dr.からのアドバイス 2020年10月版

2020.10.13治療の現場から

秋・冬に気を付けたいアトピーの悪化要因とは!?

暑い夏が終わり、秋は比較的アトピーの症状が安定する方が多い時期ですが、寒さが強まるにつれ乾燥などが原因で悪化してしまうことがあります。

今回は、アトピー患者さんがこれからの秋冬シーズンを過ごす上で知っておいていただきたい、注意点をいくつかご紹介します。

秋のイラスト

秋のアレルゲン

春は花粉症をきっかけに症状が悪化する方が多いのですが、秋にもブタクサやヨモギなどの花粉が飛散します。

また、夏場に繁殖したダニの死骸やフンは秋にかけて生活環境に蓄積していき、このようなアレルゲンが引き金になって、アトピー症状が不安定になっている患者さんもいらっしゃいます。

布団用掃除機

布団やベッド、ソファーなどをはじめ、生活環境を清掃し、皮膚を露出している部位だけ局所的に皮膚症状が生じる場合には、花粉の影響なども疑って、洗い落としたり濡れタオルで拭くなどして、皮膚に付着したアレルゲンを除去しましょう。乾燥防止のためせっけん類は使用せず、水やお湯のみで充分です。

 

今シーズンはマスクのかぶれ対策も

今年は新型コロナウイルスの感染防止のため、自宅以外ではずっとマスクを着用しているという人が多く、マスクで顔がかぶれて痒みが出ている人がとても増えています。※当院の職員にもいます。

TPOに応じてマスクを外したり、自然素材のマスクを使うなどの対策をおすすめします。

マスク女性

日々の洗濯にもひと工夫

シャンプーや体を洗うせっけん・洗濯洗剤に、合成界面活性剤が入っていないものを選ぶというのは、アトピー患者さんなら、すでに実践している人も多いのではないでしょうか。

当院でも、肌トラブルが生じる心配が少ない製品を院内の売店に取り揃えるなど、脱合成界面活性剤を推奨しています。

洗濯せっけんや重曹、クエン酸などを上手に使えば、蛍光剤や香料の入った洗剤、柔軟剤を使わなくても、洗浄効果と使い心地を両立することはできます。

それでも、水温が下がる冬場は、洗濯せっけんが衣類の繊維に残りやすくなるので、可能であればこの時期だけでも洗濯の際に少しお湯を足すなど、しっかりすすげる工夫をしたいところ。

洗濯機

 

化繊の下着・肌着はアトピーにはNG!

発熱系インナーなどの化繊下着は、皮膚を乾燥させ痒みを増強してしまいます。

水分を吸収し、繊維が発熱することで暖かくなるという仕組みの化繊下着は、皮膚の乾燥が避けられませんから、アトピー患者さんには適しているとは言えません。

冬場に限らず日頃から綿などの自然素材の下着を選び、寒いときは重ね着することをお勧めします。

ももひき

 

電気毛布ではなく湯たんぽを!

電気毛布(敷毛布)は、皮膚の乾燥を引き起こすだけではなく接触面に毛嚢炎(もうのうえん)が生じて異常に痒くなることがあります。

接触した部分の血流がアップして皮脂分泌が増えたため、皮脂を好むマラセチアという酵母が繁殖したためです。

少なくとも入眠時には電気毛布のスイッチを切るか、湯たんぽ(電気加熱の簡易タイプが便利です)をおすすめします。

湯たんぽのイラスト

 

冬型アトピーは秋から始まっています

季節の変わり目である秋は、皮膚そのものにも変化が生じます。

夏場、皮膚は体温を下げるために汗を多量に出す必要あり、汗腺の働きが活発でいつもジメジメしています。

このジメジメが大好きなのが黄色ブドウ球菌で、この黄色ブ菌の大量発生が夏型アトピーの特徴ですが、冬は状況が一変。

汗腺の活動は低下し、今度は皮膚を乾燥から守る皮脂腺の活動が増して皮脂を盛んに分泌するようになり、皮脂が大好きなマラセチアという酵母タイプの微生物が毛穴で大量発生するようになります。

乾燥肌

こうなると、顔、耳回り、後頭部、背中など皮脂腺の分布が多い領域を中心に皮膚炎が生じます。

酵母はカビの一種ですので角質誘導が生じ、皮膚の角質層が厚くなって乾燥と共に落屑(ふけ)を伴ったガサガサの冬型アトピー性皮膚炎となってしまうのです。

 

秋冬は美味しい誘惑が増えるシーズン

秋冬は美味しい誘惑が増えるシーズンですね。夏には欲しかった水分の摂取は減り、チョコレートや油脂に富んだクリームを食べたくなります。

食欲の秋から始まって、冬はクリスマスやお正月、バレンタインデーといった行事ごともあり、例年は忘年会や新年会など、宴会や飲酒の機会も増えます。

年末年始のイベント

高カロリーな食事で皮脂の分泌が増えると、いよいよ冬型アトピー症状の始まり。
マラセチアが増殖して点状の毛包炎を引き起こし、強い痒みが生じます。

どんな季節にも言えることですが、やはり、アトピーのコントロールには食生活の管理が欠かせませんので、食事療法のページもご参考になさってください。

アトピーの食事療法

食事療法でアトピー改善!キーワードは「アラキドン酸」! 久保Dr.からのアドバイス

topへ